あのジェイソンでも切れない靴

よく言われるんです。
「山師です。チェーンソーとか使ってます」的な話すると、「ジェイソンみたいですね」って。

 

日本人は『チェーンソー=ジェイソン』ってイメージが強いみたいですね。

 

あいつ日本のお化けじゃないけどね。いや、お化けでも無いのか。怪物?モンスター?意味一緒か。なにあいつ、只の猟奇的な一般人なの?あんまよく観た事ないので、ジェイソンのくだりが来るといつも困るんです。

 

でもジェイソンのお陰で、普段全然使いもしないチェーンソーって意外と知られています。触った事さえ無い人が多いでしょうが存在は知ってる。そして無茶苦茶切れる機械だって事も知ってる。

これって利用しない手は無いなと最近思ってます。

 

先日ある靴を買いました。

ドイツHAIX社製
ドイツHAIX社製

その名も『チェーンソー防護靴』。

 

うん固いですね。ガチガチのネーミング。

全然ピンと来ないし興味もわかない。
だからこう言うとピンとくると思うんです。

「ジェイソンでも切れない靴」

ね、聞いただけで「チェーンソーで切れない靴なんだ」って思うでしょ。

そうなんです、チェーンソーで切れない靴がチェーンソー防護靴なんです。そしてこれはこれからの山師の安全基準の一つになってきます。

 

既に林業先進国のヨーロッパなんかじゃこれ履かないとチェーンソー使って仕事できません。絶対必須なんです。

労働災害に繋がる要素が多い林業。(特にチェーンソーで足を切る確率が高い)

 

日本は「怪我するのは当たり前→怪我して覚えろ」これで後継者はいなくなりました。

 

次に先進国「怪我するのは当たり前→じゃあ万が一の場合に怪我しないように準備しよう」これで子どものなりたい職業ベスト3に入っています。

 

日本は未だに「地下足袋こそ最高の履物。山師ならこれだ!」って考えが根強いんです。これ見せても「こんげな靴じゃ仕事はできん!」そういう山師が大勢でしょう。

勿論地下足袋は優れた日本が誇る伝統的な履物です。でもこれに意固地になっていつまでも足切って怪我してたら何の自慢にもなりません。
後継者不足でテンカウント間近の林業は、もう意地とプライドだけでは守れないのです。

 

人材であり人財である作業員を守る為には、まずは怪我をさせない事。
この靴高いんですよ。安い物でも2万円台後半。高いものでは5,6万円します。でも足切ったら5万円じゃ済みませんからね。

 

『買える安全は買う』

作業員を預かる林業経営者にはこの感覚は絶対必要です。
だからうちは作業員に支給したいなと思っています。この金額を個人負担はきついですからね。勿論会社にとってもきついけど、「お前たちを守りたい」という覚悟を見せるとこが大事だと思うんです。そうすればきっと持続への道は切り開かれると思います。

 

たぶんこれ履いて仕事してたら笑われるんですよ。「なんかそれは」って。でもね、誰かやりださないと変わらないです。シートベルトと一緒でね。最初は抵抗あっても、その内これが当たり前になってくるんです。
これ当たり前になって、そして『チェーンソーでも切れない地下足袋』。こういうのが出て来てほしい。そしてこれが新しい日本が誇る地下足袋の伝統になっていくと思うんです。
 
しかし、これちょっと履いてみたけど良い!
思ってたより履きやすい。イメージとしては登山靴ですね。

見た目もそれなりに格好良い。履きなれるとほとんど違和感なくなりそうだな。

 

興味無いだろうけど、また使用感レポートしまっす!