ジェイソンでも切れないズボン②

はい、という訳で昨日に引き続きジェイソントーク。
もうあれだね、ここまで来ると本当に『ジェイソンパンツ』とかで呼んで欲しいね。

「チェーンソー使う時はいつもジェイソンパンツなんです」みたいなね。『チェーンソー防護ズボン』よりウィットで良いと思うけどな~。

という訳で昨日は小出しにする為に深くまで掘り下げなかったチェーンソー防護ズボンについて。昨日のブログはこちらから→

 

昨日は何故切れないのかって話はしたと思います。
今日は着心地だったり、価格、見た目的な所に踏み込みたいと思います。

 

その前にまず今までの林業ワークスタイルを見てもらいましょうか。

旧式チェーンソーワークスタイル
旧式チェーンソーワークスタイル

はい、むっちゃ恥ずかしい奴でましたね。
これ昨年の10月に東京新丸の内ビル『3*3ラボ』で講演した際に作った資料なんです。
まさかの自作自演で会場が大爆笑した写真ですね。


これが日本の林業作業服です。
旧式と書いていますが、まだ8割以上この格好で作業しているでしょう。

 

上から簡単に説明しましょうか。

①バイザー付きヘルメット

②汚れてもいい服

③汚れてもいいズボン

④作業しやすい手袋

⑤スパイク付き地下足袋

 

いいですね、『汚れてもいい』っていうのがキーワードですね。

つまりなんでもいいんです。日本の概念に『シャア専用』はあっても、『林業専用』という概念は無かったんですね。

次、ヨーロッパ型チェーンソーワークスタイルいってみましょうか。

NEW チェーンソーワークスタイル
NEW チェーンソーワークスタイル

はい、自作自演パーーート②です。
「どうですみなさん?服も違うと人間一回り大きく見えるでしょ?」というネタで、丸の内が抱腹絶倒した写真ですね。単純に写真がデカいだけなんですけどね。

 

上から説明しましょう。

①バイザー&イヤーマフ付きヘルメット

②林業専用作業服

③林業専用チェーンソー防護ズボン

④防振手袋

⑤チェーンソーブーツ

 

これが林業先進国で使われている『林業専用』の作業服です。

日本とは完全に発想が真逆です。
日本の場合は『汚れる、破れる、怪我するから動けて安ければればなんでもいい』という考え。

ヨーロッパの場合は『汚れるし、破れるし、怪我するから、高くなっても動きやすくて安全な服』という考え。

 

だからズボンもチェーンソーで切れない。

靴もチェーンソーで切れない。

服も切れる確率の高い袖口は、チェーンソーで切れない。

手袋は激しいチェーンソーの振動から手を守る為に(振動病という病気がある)、振動を防ぐ手袋。

ヘルメットには顔を保護するバイザーを、チェーンソーの騒音から耳を守る為(防がないと耳が悪くなる)にイヤーマフを付ける。

 

こういう基準守らないと山仕事出来ないよっていう決まりさえあります。チェーンソー防護ズボン&ブーツ履かないと仕事できない。

 

勿論機能性が高いという事は値段も高いんです。

日本の作業ズボンはホームセンターで1000円とかで売っていますよね。

でもチェーンソー防護ズボンになると2万円以上します。高いのは3万円台。上着も同じ。

地下足袋は安いので2000円台でありますが、チェーンソーブーツは安くても2万円台。全然違いますよね。

 

だからヨーロッパでは作業服は支給がほとんどです。これ自前だときついですよね。上から下まで揃えたら10万近くなります(日本は1万くらい)からね。支給しないとケチって着ないんですよ。そうすると怪我しちゃう。下手したら死んじゃう。

 

日本の場合は作業服は全部自前です。だから作業員は安全でも高い服は買いません。そして怪我するんですね。

なので林業事業体は『作業員は人財である』この考えをそろそろ持ってほしいですね。防護服を支給して欲しい。そして作業員を、作業員の家族を守って欲しい。林業先進国から学ぶことは技術だけじゃないんです。学ぶべきは考え方にあると思います。

 

ちなみにうちは作業員に防護服は支給しています。

去年から森林組合から全作業員に支給があったというのもありますが、うちはその前からしていました。そしてチェーンソー使う時は必ず着用するよう義務付けています。そしてうちはみんな守っていますよ。50過ぎのおっちゃんも真面目にあの派手なオレンジの服着ています(笑)

 

だからうちが仕事する現場はみんな統一されたオレンジの作業服で仕事していて格好良いですよ。いいですよね、あの日本伝統のザ・労働者!って格好より、ヨーロッパのプロフェッショナル!って格好の方が見ている方も絶対惹かれると思うんです。

 

日本の作業服も安全は勿論、格好良い作業服を作りたいですよね。若者が見て「わ!山師格好良いな!なりたいな!」って思うような林業専用作業服を。

 

俺としてはアメカジっぽく作りたいんですよね。

デニムでチェーンソー防護ズボンとか作りたい。街に履いて行っても恥ずかしくない様なの作りたいですね。

 

いつかメンズノンノンで「今、山カジが熱い!」みたいな特集されたいな~。

 

もちろん表紙は自作自演ですけどね(笑)

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コメント: 2
  • #1

    F母 (木曜日, 16 11月 2017 11:16)

    こんにちは
    たまたま開いた
    ブログの内容ごもっともとつぶやいてしまいました。
    半年くらい前から、息子が林業に携わるようになり
    それまで考えたことすらなかった林業のことを
    気にするようになりました。
    チェーンソー、びーばー、防護服その他
    自前なんておかしですよね~
    公務員以上にお国の仕事だと思います。
    林業って過酷な仕事で若者はやりたがらない分
    元受けがピンハネするんじゃなく
    肉体労働者にきちんと支払うべき。
    どの職業もそうですけどね
    熱くなりすぎました( ^^)

  • #2

    山師 弟 (金曜日, 17 11月 2017 08:18)

    コメントありがとうございます!
    素晴らしい息子さんをお持ちですね。是非長く続けてもらえるように、雇用者側に頑張って欲しいですね。少しでも林業に興味を持って頂けて何よりです。皆さんの少しずつの関心が、林業を次のステージに成長させてくれると思っています。今後とも宜しくお願いします。