杉を植える男

先日飫肥杉軍団が来た際、私が杉を植える動画を撮ってくれました。

 

普段写真撮っても自分が撮るから自分は写らないし、かといって誰かが撮ってくれる訳では無いので、なかなか自分の仕事風景って観たこと無かったんです。

いつも仕事しながら「今俺、超格好いいやん。だれか見てない?誰か写真撮ってない!?」って思ってたんで良い機会となりました(笑)いいですね、素敵俺。植える姿が様になってる←自画自賛

という訳でこちら!
マニアには必見、まーちゃんの解説付きでございます。うちのホームページでしか聴けませんよ旦那。へへへへ

こうやって一本一本、手作業で植えていきます。
こうやって日本の山は作られていっているんですね。

もしここに杉を植えなかったらどうなるのか。

よく『天然更新で広葉樹にします』なんて言ったりします。
でもここは杉の人工林跡地なので、すぐすぐ広葉樹が育つ訳ではありません。ここに広葉樹のタネが飛んできて、それが大きくなって、イメージするような広葉樹林に育つまでには100年の期間を要するでしょう。

鎮守の森の様な大きい木が立って…というイメージがあるのなら、更に何百年必要でしょう。人工林跡地を自然の力に任せて広葉樹林にするというのは、簡単な事では無いのです。

 

現在は鹿の食害がひどいので、出てきた新芽が食べられ上手に天然更新出来ない状況も考えられます。そうすると根をはる樹木が育たちませんので、崩壊の危険も出て来ています。そうなると被害は山から街、海にまで及びます。

だからそうなる前に、条件の良い人工林跡地はなるべ人間の手を入れる。また次の木を植えて行くんです。
勿論現在はちょっと無理して人工林が作られている場所もありますので、そういう場所はリスクの低い小面積で、天然林に戻していった方が良いでしょう。

ちょっと難しい話になりましたが、どうです?山師の杉を植える姿って格好良いでしょ?
見晴の良い山の上で、杉の苗袋をからって、一本一本自らの手で植えていく姿。シンプルだけど、なんだか素敵ですよね。俺この仕事好きなんです。

そしてこの景色。

この景色は山師しか見れない。そして、今しか見れない景色なんです。木が大きくなったら周りは見渡せなくなりますからね。また50年はこの景色見れないんです。50年後はまた景色も変わっているでしょう。

 

一本一本苦労して植えても、この木を伐るのは孫の世代。世代間を超えるこのスケールの大きさが、山師の一番の魅力だと思っています。

 

植えるのは木じゃないんです。

 

植えるのは愛なんです。

そしてそれを育てるのも愛なんですよね。

『山師の仕事はロマンチックだ』

 

うん、絶対そうだ。

 

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コメント: 1
  • #1

    まぁちゃん (木曜日, 03 4月 2014 23:51)

    おっ!嬉しい!解説付き動画!(笑)

    いや、ほんまにかっこいい姿を見たよ!

    植えるのは愛なんだな~~~!

    だから山師は愛が深いんだ。納得!