もしTOYOTAの社員が全員60歳だったら

あなたは車を買おうと思いました。

 

高い買い物です。悩むでしょう。

 

車屋さんも沢山あります。車種も沢山。悩むでしょう。

 

 

決心したあなたは、まず近くにある、そして一番ポピュラーなトヨタという車屋さんに入りました。

 

「いらっしゃいませーーー!!」

 

ドキドキワクワクしたあなたは顔を上げます。

するとそこに待っていたのは平均年齢60歳の店員さんばかり…

 

あなた「お年を召されたかたが多いんですね~」

 

店員「はい!全国に総勢7万人の社員がいる我が社は、平均年齢60歳で頑張っております!!」

 

 

あなたには違うドキドキが訪れるでしょう。

そして不安にかられ下を向くはずです。

 

「大丈夫かなこの会社…ベテランで良い車作ってくれそうだけど、10年後誰がメンテナンスするんだよ…」

 

 

きっとあなたはこのお店を去るでしょう。

将来性の見えない会社に人生さえも左右する(高い買い物は)任せられません。

 

安心して提供してくれるのであれば例え身近でなくとも、外国産の車を選ぶでしょう。

 


 

この話、「もしも」のありえない話に聞こえると思います。

実際トヨタはそんな会社じゃありません。

 

でもこの「もしも7万人の平均年齢が60歳だったら」って話、林業にはピッタリ当てはまるんです。

 

日本の林業従事者数はおよそ6万9千人、トヨタの単独従業員数(連結除く)とほぼ同じです。

そして林業従事者と平均年齢は正確には出ていないのですが60歳近いとされています。

つまり林業に限ってはトヨタの「もしもシリーズ林業バージョン」がリアルに出来てしまうのです。

 

これって大問題ですよね。

7万人もいるのに平均年齢60歳の会社とまず付き合おうと思いませんもん。しかもトヨタだったら会社だけど、林業は産業ですからね。一つの会社と一つの産業が同じ従事者数ってのも問題です。林業という産業が日本の産業の中で、どの位置にいるのか透けて見えてきます。

 

遠い国の木が国産材を押しのけ一番シェアされ、一番身近なはずの国産材が国民から遠い所にいってしまった。

この理由って林政や経済的な歴史も勿論ありますが、「従事者」っていう簡単な部分を紐解くことでも見えてくるのかなと思います。むしろ一般の人からすると、このトヨタと比べた方式の方が林業という産業のピンチさをわかって貰えると思う。

 

そう林業はピンチなのです。

 

でもね、ここ数年で見ると林業従事者数も平均年齢も横ばい、もしくは少し改善しています。

これは緑の雇用による影響が出ているおかげだと言われています。(従事者数に関しては統計の取り方が変わったからとも言われている)

 

でもこれはほんの一時的なもので、団塊の世代が支えている今、あと10年したら緑の雇用の分なんか吹き飛ぶくらい従事者数は減るでしょう。いくら機械化してもこの広い日本の森は数名じゃ守れないのです。

 

しかしね、トヨタのCM観てて思うけど、いいCM作るよね~。あんなウィットなCM林業作れないもん。

「森は大事です!!」っていうおもたーーーいCMしか作れないもん。

CMってひとつのツールであって目的ではないんだけど、でもね絶対馬鹿にならない事だと思うのよね。

林野庁は黒字の分全部広報に使ってもいいと思うのよ。そして水川あさみを山に連れてきて欲しい。吉高由里子でも可。

 

その際は是非うちの山で撮影お願いします<m(__)m>

宜しくです林野庁様。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    児玉 (火曜日, 20 5月 2014 16:35)

    ふむ、着物の作り手の世界では、
    60若手70主力80まだまだという話も、
    多くの現場の今として聞こえてきます。

    年金が加わることによってはじめて、
    仕事として成り立つ現場に、若手の
    後継者が来るだろうか。

    子どもに、お前にはいい学校に行き、
    良い会社に入ってほしいと言い続け
    た現場に、果たして息子や娘よりも
    若い方が入ってくるか。

    重い広報では、無理でしょうね。正
    しいことや理想を突きつけるだけで
    は、人の気持ってなかなか動かない。

    良い記事をお書きになりますな。