梅雨の前にやってくるものと言えば…そう、蛍。
蛍が出て、梅雨が来て、田植えが始まる。それが山村の初夏風物詩でもあります。
「蛍って水が綺麗なところには必ずいる」と思っている方多いかもしれません。
でもそうじゃないんです。
「水が綺麗だから」というのは一つの要素でしかありません。そこにプラスして「生態系が豊かだから」という要素が加わります。
蛍が生きるためには幼虫の頃餌となる『タニシ』の存在が不可欠です。タニシがいない川に蛍が飛ぶことはありません。つまりタニシが育つ環境、タニシが餌にする微生物が豊かな環境でないと蛍は飛ばないのです。
見た目が綺麗な水っていうのは沢山あります。水道水だって無色透明。綺麗と言えば綺麗。だけど中身は蛍が飛ぶ川の水とは全く違います。
山から湧き出る水が一様に『綺麗な水=生態系が豊かな水』とは限りません。見た目は透明で美しくても中身はスカスカの水なのかもしれません。それをどう見分けるのか。流石に水の中の微生物は目で見えませんからね。そんな時ひとつの目安になるのが蛍なのかな~とも思います。あの光は自然からのOKサインなのかもしれませんね。
あ、あと一つ蛍が生きる環境に欠かせないのが、「荒れない川」です。増水によって蛍が流されるという事はしばしばあります。事実渡川でも数年前の大きな台風で河川が増水し、沢山いた蛍が次の年からピタッと見なくなりました。そしてあれから数年経った今(ここ何年か台風が来ていない)蛍がまた戻ってきました。今年は沢山舞っていますよ♪
生態系が豊かな川、増水して荒れない川、これってどこが始まりなのかってやっぱり山づくりです。木だけじゃなく川にも虫にも目をやる事はこれからの山師にとって大事なスキルだと思うんです。
100年後も「ほ、ほ、ほ~たるこい」と子どもたちと夜道で歌える日があり続ける事を切に願うのです。
コメントをお書きください