昨日のブログに書いたヤマペディアで「人工林」と言うワードがでてきました。これがね、曲者ワードですよね。なんなのかいまいちわかんない。だから今日はこれ解説します。
まず人工林とは何なのか?
簡単に言うとこれ。
そう杉の木を植えている山の事です。ヒノキの木でもいいです。桜の木でもOK。クヌギでも白樺でもブナの木でもなんでもOK。人が山に植えていればなんの木でも人工林なんです。
結構意外でしょ?
「人工林=杉orヒノキの山」って思っている人多いと思います。
ノンノン、そうじゃないんですね。杉でも人が植えず勝手に生えてきた杉が集まっていれば天然林になります。逆に天然林の王様的扱いのブナの木でも、人が植えていれば人工林です。人工林にあるのは「人が植えたのか?植えていないのか?」というものだけです。勝手に生えてきたものは「天然林」になります。
じゃぁなんで人工林=杉、ヒノキのイメージが強いのか。
①単純に杉のヒノキの人工林が一番多い
②人工林というワードがよく使われるのが、「人工林が崩壊した」という台風で崩れた杉山のニュースの場合が多い
③「人工林=生産」のイメージがあるので、一般的に木材利用に結びつきやすい杉やヒノキがイメージされる
④単純に杉やヒノキの事を人工林という人が多い
こんな感じでしょうか。
ようはなんだか「人工林=悪」で「天然林=善」ってイメージが日本にはあります。いろんな経緯見るとこれもしょうがないのかな~とは思いますが、このイメージは間違いです。人間がイメージする善悪というのは、「自分達にとって良いか悪いか」というのが判断になっていると思います。例えば「人工林は崩れやすくて、自分たちに危害をくわえるから悪い。見た目も人工林は悪くて天然林は素敵」というよく思われがちなイメージ。
これは正直間違いです。手入れしている人工林は崩れません。なにより美しい。手がしっかりはいっている杉の人工林は、治山治水にも景観にも生産にもしっかり貢献しています。
そして天然林が崩れないというのは間違いです。天然林だって崩れます。そして天然林は天然更新と言って自然に任せると人の手が入りませんので、倒木はあるは草は茂るは木は曲がるわで、実際日本全国にあるリアルな天然林は見た目あんまりよくないです。
皆さんが見ている天然林は公園や自然施設なんかの「管理された天然林」です。人間が美しく見せているんです。里山の山なんかもそうですよね。「おじいちゃんの山は綺麗」なんて言いますが、あれはおじいちゃんが手入れしているから綺麗なんであって、天然林が綺麗な訳ではないんです。ま、別に天然林ディスっている訳ではないんですがね(笑)ようは人工林も天然林もケースバイケースで、善も悪も無いってことをわかってほしいのです。
下の写真見て下さい。
ね、綺麗でしょ。これ俺が手入れした人工林(杉)です。人工林だって美しい。これもっと日本人に持って欲しいイメージだなぁって思います。自然が自然に作り出す天然林も美しいですが、大きな木を相手に小さい人間が長い年月と技をもって作り出した人工林だって同じくらい美しいんですよ。
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