山で働きたいという若者が来た

先日友達から「お前に会いたいって人が来とるっちゃけど」と電話があった。電話を代わると、「山師に興味がある」と言う。その日は残念ながら会えなかったのだけど、飛び込みでも来てくれた熱意は伝わった。

後日直接会った。好青年だった。なんと消防士をしているという。
話を進めるうちに本人の覚悟というのはそれなりに伝わってきた。そりゃそうだ、安定から未知の世界に踏み込むんだもの。半端な覚悟じゃ「話を聞きに行く」という行動すら起こせない。

 

1年以上前から考えていたそうだ。だけどやはり思い留まる。でもその時に出会ったのがこのブログだったという。「林業で検索したら今西さんが出てきたんです」と彼は言う。そうか、悩める若者のアンテナに引っかかったのか。毎日毎日辛抱して書いた甲斐があった。

 

彼が結局行動を移したのは彼自身のある一つの出来事がきっかけなのだが、その時の受け皿になり得たという事は一つの成果だ。

「林業で調べたらあまり良い事は書いていなかったんですけど、今西さんのブログだけはポジティブだったんです」と彼は言う。

そう、林業界随一のポジティブモンスターの私。とうとう私に騙された奴が出たか(笑)でもこのポジティブを実現する事が私の使命なのです。

 

こういう若くて優秀な人材を受け入れる受け皿を林業は本当に持っているのだろうか?ハローワークに求人出す事が本当に受け皿なのだろうか?本当に人材を急募するなら、育てたいなら違うアクションを、まだ遅くないので(本当は遅いけど)勇気を出してとるべきだ。

 

これから少子化のあおりを受け、若い人材はますます減少する。いよいよ各産業で若い人材の争奪合戦が始まる。

今華やかで人気のある職種、企業は既に一歩抜け出ている。その企業さえもあぐらをかかず、本気で人材獲得の為のアイデアとアクションを起こしている。只でさえ人気の無い、というよりも存在さえ意識されていない林業に入ってくる人材なんかいない。今まで入ってきた「街で仕事が無いから」という落ちこぼれ組さえ山に入ってこないだろう。

 

今林業に必要なのは3千万を超える高い重機じゃない。給料20万そこそこしかもらえなくても、しっかり働いてくれる若い人材の方こそ求めなくてはならない。いくら高い機械があっても、それを100%の力を引き出して使う人材がいないと、何台あっても無駄なのである。ガンダムが何台あってもアムロがいなけりゃ動かせないのだ。

アムロだってもともとそんなにガンダムに興味があった訳ではない。だけどやってみたら楽しかった、そして必要とされたから未知の世界に踏み込めたのだ。

 

今後時代が林業を後押ししてくれるかもしれない。かもしれないんだけど、時代を作るのは自分達だ。いつまでも長いものに巻かれていると、長いものと一緒に沈んでしまうかもしれないと早く気付いた方がいい。会社も組織も産業も、必ず続くとは限らないのです。

 

悩める若者よ、いつでも扉を叩きなさい。できるかできないかは問題じゃない。あるのは「やるかやらないか」だけ。どうにかしようと思って、どうにかならない事って意外と無いもんですよ。